SIRENプレイ感想
友人の薬師さんと一緒に、久々のホラーゲームでした。
序盤で心折れるも少しずつ何かに気づき始め、遅効性で浸み込んでくるおもしろさ。
何が起きてるのか薬師さんと話し合ったり推測するのが楽しすぎて、結局全アーカイブ入手するため羽生蛇村を奔走しました(攻略サイトに頼りまくったけど)。
クリアして即、SIRENマニアックス(公式解説本)注文しちゃったよね!
というわけで以下、ネタバレです。SIRENマニアックスのネタバレも含みます。
プレイしたのはPS4版。セーブロード機能はあるけど、巻き戻し機能はなし(巻き戻しはPS5版だけらしい。何故)
ほぼ個人的なプレイ記録。諸々勝手な憶測です。
○
△
△
△
・○ボタンで車のキーを調べる(キー取れない)→△で車のキーを取る→車に乗る→△でキーを差し込む→△でエンジンをかける……いっちいち操作多いな!!?(そいや昔のゲームってこうでしたね!
・火かき棒で殴るのタイミング合わねえ!狭い部屋で火かき棒振ると壁にぶつかるとか、そんな鬼畜な作り込みいらないから!!
・もう屍人に襲われるのイヤ!怖いというか、イヤ!!
最終的に、多聞ルートの「火の見櫓で校内放送を聞く」が無理すぎて(こちとらタイムアタックなんてレベルじゃないんですけど!??)
「なんでゲームでこんな苦行しなきゃなんねーんだ、やめだやめ!!!」と宣言し、一度Sirenをやめました。
……が、頭も冷えた数日後。
自分のチキンっぷりがひどく情けなく思えてきた。
実は去年デッドライジング(ゾンビの大群を女装おじさんが芝刈り機で刈る愉快なゲーム ※語弊あり)をプレイしたんだけど、それですらゾンビが怖くてすぐやめてしまった。
……かつてバイオハザードで見せた勇気はどこ行った!?
ふぬけた己の根性を叩き直すため、再び薬師に連絡を取る。
自力でのクリアは不可能と判断。私がプレイしてる間、薬師さんにはその場で攻略サイトの情報を伝えてもらうという連携プレイで、とにかくエンディングだけでも見てこようということに。
一度は挫折した羽生蛇村へ、再び入村……

「俺はこの火かき棒で、全ての屍人をジェノサイッ!!」
L1で武器を構えながら、前後反転方向キー操作で敵ににじり寄るテクニック(敵から発見されてる時のみ)を習得。
さらに武器の振るタイミングを覚え、「出くわした屍人は全員ぶっ殺す!」の精神で村を走り回る!(近接武器大好き!猟銃はいらねえ!)
何度も死んでは繰り返し、ついには拳銃屍人ですら火かき棒で壁ハメのゴリ押しでぶっ殺す須田くんに成長しました!笑 (ここまで上達するのに、本当に時間がかかった……)
もう何も、怖くない……!
だから猟銃じゃなくて火かき棒をくれ!(第3日の須田、猟銃きっつかった……)
<宮田と牧野>


ほくろの位置は、牧野が左頬、宮田が右頬。 こうして兄弟並べてみると、宮田の目の死に具合が… 笑 |
宮田がナース姿の理沙の首を絞めるシーン。
「やっぱり双子だな。死に顔までよく似ている」
……このセリフを聞いて、これまでの宮田の行動が、頭の中でつながった。
初登場で宮田が倒れていた場所に掘られた穴。
宮田は自分の車でそこへ来ていたこと。
同じエリアにナースシューズが落ちていたこと。
コイツ……初登場からとんでもねえことしてやがった……!!(しかも儀式とか全然関係ねえ!笑)
とはいえ、宮田医院の地下で恩田姉妹をアレコレして屍人の秘密を解いたことで、プレイヤーの宮田への評価が上がりました 笑
そういう究明は(たとえエグく見えようと)誰かがやるべきことだろうから……(その知識のおかげで、須田の血を輸血して依子は屍人にならずに済んだんだろうし)
中央交差点で出会う、双子の兄と弟。
銃口を己のこみかめに向ける宮田。響く銃声。
そして牧野の豹変(突然武器を持って戦い出す)。
いきなりのことにプレイヤーは驚いたものの、宮田は自殺し、それを見た牧野が戦う覚悟を決めた、あるいは恩田姉妹のように双子の意識が同調して、牧野の中に宮田の意思も宿ったのだ、と理解した。
だが、のちに多聞が拾うのは、宮田の名が入った白衣の燃えカス。
──おかしい。
宮田が自殺し、牧野がひとり残されたとして。
あの牧野が宮田の遺体をどうこうするようには思えない(ましてや、この状況でわざわざ燃やすか?)
よく考えれば、宮田が自分のこめかみに銃口を向けたシーンも、普通に見れば宮田はそのまま自分を撃ち抜いたように思えるけど、直接その画が映っている訳ではない……
……まさか。
いやまさかそんな……
このシーン、あまりにも絵面が悪いよ!!
ほくろが右頬にあるんだ……!!(頭を抱えるプレイヤー)
全部クリアしてからSirenマニアックスの宮田と牧野の項目をパラ見して、
「マジ宮田、コイツ……!!」ってなってます(泣)
いやもう宮田凄いよ、宮田は本当に宮田だね!!
ちなみに、私が宮田にドン引きしまくってる中、薬師さんはずっと宮田推しだったらしい 笑
ええもう私も宮田大好きだよ!!(笑!)
最初これにたどり着いた時は、マルチエンドの中の単なるギャグENDなのかな(ミュージックOnで屍人バスター!須田くんかっけえ最高〜〜!)と思ってたんですが、
須田くんはもう現世には帰れないんですね……!
宇理炎メテオフォールでジェノサイダーしてるのもカッコいいんだけど、叶うなら美耶子と一緒に現世に戻ってほしかった……
そんなハッピーなエンディング、このゲームが今さら用意してくれるはずがないですよね〜!知ってた!!(褒め言葉です)
<八尾比沙子>

長い時を生きてきた比沙子の念願は、この神の降臨だったのだろう。
須田くんのジャマがなかったら、この後何をしようと考えてたのかな。
最初は罪(684年に落ちてきた魚を食べたこと)の贖いが目的だったはず。
自分が食べてしまった魚=神を復活させることで呪いが解けるのだとしたら、比沙子の目的は「自分と村にかけられた呪いを解きたい」ということになるが……比沙子の言動はとてもそういう風には見えないんだよなあ。
贖いのために生きていくうちに、その対象である魚(神)を絶対視するようになり、そこから狂い始めた?
SIRENマニアックスによると……
呪いを解くだけでなく、比沙子自身も永遠の命を得たかったらしい。しかし長い年月を贖罪の儀式のために過ごすうちに、その行為自体が目的となってしまったとか。
加えて、堕辰子の肉を食べたことで、堕辰子=比沙子という同一存在としての意識が生まれているらしい。
なので比沙子は「自身の復活」として堕辰子の復活を願うし、堕辰子も比沙子を「自分の分身」とみなして攻撃することはない(不完全体が暴走したとき)。
こうなると比沙子はもう、堕辰子復活のための存在に成り果てているということだよなあ……
長い時を生きる中で様々な人格が芽生えても、来たるうつぼ舟によって「比沙子=堕辰子」の記憶と人格を取り戻してしまう。比沙子自身が救われることは、もう無いんだろう。
ゲーム本編のその後は、羽生蛇村の閉じた時間の環の中(贖罪の儀式を行ってきた1300年の間)で永劫に存在し続け、自身がうつぼ舟の伝承の存在となる。
すでに人を超えてしまった彼女の有り様は、もはや人間が共感や同情できるような対象ではないのかもしれない。

<ゲーム中に出てきた年号まとめ>
684年 天武13年(1319年前)
1926年 大正15年(77年前)
1941年 昭和16年(62年前)
1942年 昭和17年(61年前)
1966年 昭和41年(37年前)
1975年 昭和50年(28年前)
1976年 昭和51年(27年前)
┗双子誕生(宮田牧野)、儀式失敗
1988年 昭和63年(15年前)
┗牧野慶義父の遺書(牧野12歳)
2003年 昭和78年(現在)
年号が毎度ピンとこなかったので、西暦と和暦と何年前なのかをまとめながらプレイしてました。
684年というのは実際に、白鵬地震という大きな地震があった年らしい。ついでにハレー彗星も観測されてるとか。
<宇理炎について>
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https://jomon.co/point/detail/65/ |
宇理炎(盾)が、長野県の「坂上遺跡の土偶」にそっくりだと考古に詳しい人物に教えてもらった。
同じ地域から出土した他の土偶(国宝)と並んで、八ヶ岳山麓を代表する像らしい。これがモデルだったりするのかな。
ちなみにうつぼ舟のムービーで、海から流れてきて比沙子が拾っていた丸い物体は、遮光器土偶(ドラクエのどぐうせんしのアレ)に見えた。ラスボス堕辰子の顔もこれだった。
そういえば、美浜奈保子の出演してたドラマも「ハートはドキ土器」。
八尾比丘尼、木花咲耶姫、木る伝(ケルビム)、つちのこ、スカイフィッシュ。
古今東西の伝承を取り入れて、その断片から何が起こっているのかプレイヤーに推測させる作り方がすごく面白かった。
<プレイ中のアレコレ感想>

・とにかく序盤は、誰なのかもわからないキャラたちを、なんでそんなことをするのかわからないままプレイするのがひたすら苦行だった(濡らした手拭いを神父さんがこの状況で冷凍庫に入れるの、意味わかんない!笑)
・だけどその流れが変わったのが、傷ついた須田と依子、そして宮田が邂逅するシーン。
これまで訳もわからず操作してきたキャラたちが突然つながり、物語が進み出す……ようやくこのゲームを「楽しい」と思えた瞬間だった(ゲーム始めてからここまで進むのに、2ヶ月かかりました!笑)
・絶妙に「なんか気になる」という気持ちが掻き立てられる。
宮田の登場シーンが実はめちゃくちゃやばいということを、中盤になってやっと"ほのめかす"演出。凄すぎる。よくそんな思い切ったことしたな!?
・思い入れ深いルートは、須田第2日1時、美耶子と廃屋からの脱出。
事前に何かをし損ねたらしく、納戸に美耶子を隠すことができない。風呂場に美耶子を隠して進もうとするも、絶対に拳銃屍人と鉢合わせてしまい、火かき棒で倒すしかなかった。
何度も何度も何度も殺され絶望するも、最終的に壁ハメして倒した。セーブ&ロード機能がなかったら120%くじけてた。
だけどこの経験のおかげで火かき棒の扱いが上手くなり、さらには壁ハメも覚えて(覚えざるを得なくて)、拳銃屍人相手にも近接武器で立ち向かえるようになった(いや、場合によるけど)。
火かき棒さえあれば無双できるぜ!……いや、やっぱネイルハンマーください 笑
<おわり>
いまやSIREN大好き。クリアしてからもう1ヶ月経つんだけど、いまだに薬師さんとSIRENトークが盛り上がる。……主に宮田の話で(笑)
もし自力でクリアしてたら愛着もひとしおだっただろうなあ……と、ちょっと後悔もあるけど(とはいえ自力でクリアできたとは全く思わない)、一度完全に心折れたのにクリアした自分を褒めたい。こんなおもしろいゲーム逃してたらもったいなかった!
なんなら今度こそ何も見ずに、もう一度最初からプレイしてみたい。今ならいろんな細かいことに気づけそう。
続編の2とNTも、PS5でプレイできるようになったら嬉しいな〜
一昨年の2023年が20周年で、去年もイベントがあったみたいなんだけど今年はあるのかなあ。
20年以上経ってるのにいまだイベントが多くて、愛されてる作品なんだなあと感じる。今はその理由がよくわかる。
SIREN展行きたかったな〜、あと宮田のゴールド免許パスケース欲しい 笑
SIRENマニアックス熟読して、次の異界入りに備えるぞ〜!
薬師さんに教えてもらったんだけど、宮田のジャガー炎上祭という夏の風物詩があるらしいですね……笑