ドラゴンズドグマDA 感想!

PS4版のドラゴンズドグマ:ダークアリズンをクリアした!
おっもしろすぎる……年末に気まぐれで始めたらあまりにもおもしろくて、ポーンと覚者様のことばかり考えて過ごしてた……


以下ネタバレな感想(という名の私の妄想)です!






・一番最初にプレイした時は、ポーンたちの口調や言葉に大笑いした。あまりにも「ゲームのご都合」な存在で、本来ゲームとしては隠すべきことだろう。なのに一言一句同じ言葉を、3人のポーンにそれぞれの声で繰り返させる不自然さ。最初はその違和感に逆にめちゃくちゃウケてた。
・ポーンたちが、あまりに世界に馴染めてなさすぎる。ゲーム中にポーンを嫌うキャラもいるんだけど、あの世界に住まう人間からしたらそりゃポーンなんて異質で気持ち悪いと感じて当然だと思う。言葉が遠い。画面の前のプレイヤーへの言葉すぎる。
・不思議な世界観のゲームだ、と思う。グランシス半島を舞台にした世界自体はとてもよくできてる。NPCのセリフもそれぞれの性格や思考があって、キャラも善人悪人に別れているわけではなく実際の人間のように清濁併せ持ったキャラとして描かれている。
・……なのに、そのリアル寄りの世界観の中で、ポーンという存在があまりに不自然に置かれている。ゲームのご都合そのままで、世界に馴染ませようという気があまりない。その落差が凄い、不思議な世界だなと思った。
そしてこれが作り手の手抜きとかではなく、"そういう世界"なのだと最後にわかる衝撃よ……



「最初に踏み出した己の一歩に
 背かずに行くこと」

・ドラゴンズドグマの好きなところは、全部おまえの意志だ、と圧強めに言ってくるとこだったりする。
覚者となったことさえ、ドラゴンや運命に選ばれた訳じゃない、「おまえが選んだ、おまえの意志だ。だからおまえが選べ」的なことを迫るように言ってくる。そして実際にゲームシステムとして、覚者様はいろんなことができる。ドラゴンや界王と戦うにしても、その前にいちいち「戦わずに力を得る」「平穏な日常に戻る」という選択肢が現れる。
・全てはこちらが選択したことであり、その責任を全てブン投げてくる感じ。その空気が独特でおもしろいなあと思う。





<界王と覚者について>

・この世界の仕組み。覚者がポーンを創ったように、界王により生命は創られ統治されている。閉じた円環の中で永遠に続く世界。
・(個人的には閉じた円環の平穏だろうと別にいい、誰かのコントロールする世界の中で生きていようと各々の生の価値は変わらないだろって思っちゃう)

・それより世界を司る界王様の方が絶対ブラックで大変じゃん……街に行っても誰にも認識されず、透明な存在のまま「ただ永遠に在り続けるだけ」のお仕事(人の創造もしたかったんですが?)
・世界にドラゴンを遣わし覚者を導く、というのはつまり「誰か界王職代わって!」という界王の意志なんだろうか。こんな無の世界で独りシミュレーションゲームするみたいな職業、絶対耐えられない……

・そして界王の最期は、新しい界王に弑されることで解放される。キナが「覚者は使い捨てだ」的なことを言っていたけど、この一連の界王システムこそが使い捨てのサイクルなんだろう。ブラック管理職、ここに極まれり。



・前界王はこの界王職から解放されたくても自害することはできないからドラゴンを遣いに出してまで新しい界王が来るのを待ち望み、覚者様に自分を解放してくれと頼んできた。……なのに、なんでこの覚者様(主人公)はリディルで自害できたんだろう?と2周目クリアしてようやく思った。

・覚者がドラゴンを倒す冒険に旅立つことは、覚者の「意志の強さ」を試すものだった。その試練に打ち勝つ程の者なら、界王職に就いてもそれを投げ出さない強さを持っていることになる。だから、覚者様も界王職を投げ出すために自害したのではない(そういうヤツを界王にしないための覚者システムなのだから)。
・だから界王になった覚者様は、辞めるためではなく前へ進むために、「ここではない、どこか」へ行くためにリディルを己の胸に突き立てたのではないかと思った。
・(なおプレイヤーは界王職がブラックすぎると判断してリディルを辞職願として使いました。凡人。透明な存在になって永遠に在り続けるお仕事とか辛すぎるよ〜!)



・覚者という存在だけなら、永遠に続く円環の時の中に数多く生まれてきた。しかしこの覚者様は、その中でも円環の理からさらに踏み出すほどの意志の強さを持つ人間だった。ドラゴンズドグマというゲームは、単なる一覚者(いっぱいいる)の物語ではなく、覚者の中でも世界の理を壊すほどの意志を持った「唯一の覚者」のお話だったのではないかと思う。
・だからゲームの1周目と2周目は、厳密には繋がっていないと思ってる。円環の理を壊してしまったのだから、その世界にはもう次の覚者は現れない。

・とはいえドラゴンズドグマの世界には、ポーンが行き来するように複数の世界がある。領都に空いた穴をのぞけばもう一人の自分がいて、また空を見上げれば別の自分がこちらをのぞいていて……と、並行世界のようなものが無限にある。覚者様が壊したのはあくまでその内のひとつの世界の円環に過ぎないのかもしれない。
・だとしたら1周目で起きたことは2周目とは別の世界で起こったことではあるけれど、大きな枠では同じ世界の中で起きた出来事ではあるのかなと思ってる(ややこしいな)



・世界の理を崩すことが本当にその世界に住む人間にとって良いことなのかは、賛否両論あるいはこれから次第としか言えない。これまでは界王が治めていたからまだ平和な世界だったのかもしれない。これからどうなるかは誰にもわからない。
・だけど覚者様のこの行動は「人間のためを思って」やった訳じゃないと思ってる。
実はこの世には上位存在がいて世界をコントロールしてる、と知った時にそこからの解放と自由を目指すべきだ、という物語はよくあるし、ドラゴンズドグマもそれに則った物語として受け取っていいとは思う。
・だけど、この覚者様の持つ「意志の強さ」というのは、「人間のため」に向かうもののようには思わなかった。これまで散々「お前の意志」「己の選択」みたいなものを求められてきた。覚者様の意志の強さはひたすら「己」に根差すものであり、「ここではない、どこか」を求める、未知のものへ勇気を持って一歩を踏み出すような強さだった。
・だから「円環のその先へ進みたい」という単純だけど強い意志で、リディルを使ったんだと思ってる。だからこそ、界王でありながらリディルを己に突き立てることができた。
・……という、ものすごく自分勝手な覚者様の像を個人的には抱いている。だけど「意志の強さ」なんて、裏を返せば究極の自分勝手なのかもしれない。



・円環の理を壊したことで界王や覚者だけでなく、ポーンというシステムもなくなった。だから最後、ポーンは人(覚者様の姿)になったのかなと思う。
・もう、このエンディングが……魂をさらわれるかのようで……
そばでお支えしたい、と願っていた相手が自分自身になってしまう、ってどんな地獄だよ……



・私は覚者目線というよりプレイヤー目線で、ポーンちゃんたちの存在を不自然で面白いと思いつつ、でもだんだんとその健気さに情が湧いてしまったように思う。
・覚者としてポーンに、旅が終わった後の彼に、何かを残してあげられたらいいなあと思う。「何か」がなんなのかも、それに意味があるのかもわからないけど。というかなにひとつわからない。だけどこの世界では、覚者様がそうしたいと思ってすること自体に意味があるはず……(と思いながら周回プレイしました)





<1周目プレイ>

・ネタバレを一切見ないでプレイしてたので、好感度システムの存在すら知らずプレイしてました。
そしたらドラゴンを討伐したあとのエンディングで、生贄になりかけてた人(知らないおっさん)がいて、なんか覚者様とらぶらぶになっていた!
……誰だよ!?って画面の前でめちゃくちゃ悶えたよ!



・……マクシミリアンでした!城門前でクエスト受付してた人じゃん!そういえば余ってた羽ペンを大量に押し付けた プレゼントしましたね……
らぶらぶオーラが出ている上に覚者様の自宅にいるんですが!?



・さらにエンディングで現れたのはマデリンでした!マクシミリアンどこ行った〜!?
あれか……マデリンに彫像を持っていくクエストを最後にやったのでそれで好感度が上がっていたのか……



・なんというか、覚者様(私です)の中に確固たる己の正義がない。「ちょっとよくわかんないので」と後回しにしようとした結果すべてが後手にまわってしまい、気づけば事が終わっている。そんなことの連続。
幼なじみのキナを助けに行こうとするも道中の盗賊が強くて逃げ帰り放置したし、フォーニバルに言われるがまま家族を立ち退かせ、事なかれ主義で無罪判決を出し、メルセデスさんは「滑稽だ…」と言い残して国へ帰ってしまった。
日和見で人の気持ちを理解せぬ無能な覚者。あまりに不甲斐ない……



「己だけが知る、己の言葉に耳をすませ
 覚者よ……」

・その通りだよもう少ししっかりして覚者様!!
次こそ己の選択を貫くぞ!と思って周回プレイしました。



<そんなわけで2周目!>

・ここで初めて「ポーンの夢」クエストを受けた。

「あなたといたい」
・これが……ポーンから人となったセレナの望みだということが……(泣いた)
今は自分の想いを伝える声を持たないポーンたちも、もしかしたらそんな望みを抱くのだろうか、と思った。



・竜識者からもらった絆の指輪はセレナに渡しました。セレナの願いに応えたい、と思って……。
・セレナはポーンでありながら自ら意志を持ちはじめ、おばあちゃんの後押しもあって想いを自分の声で伝えることができた。
さらにその相手から絆の指輪をもらったとなれば、セレナはきっと大丈夫だと思うんですよね。この先、覚者様がいなくなっても、意志を持った"人"としてセレナはしっかり生きていけるはず……。覚者様はそう願ってる……



・……なのに、ドラゴンの生贄はオルダスでした!なんでだよ!!!
(討伐直前に指輪をセレナに渡したんだが、どうやらそれでは遅いらしい)



・違う、ここにいるのはセレナのはずだったんだ……
このあと家に帰ったらオルダスがいたので担いで外に放り投げました(最低)



・そしてエンディングへ……
なにより気がかりなのは、ずっと隣にいてくれたのに突然残されてしまったポーンちゃんのことなんだよ……!



・円環の理が崩れたことで世界がどうなろうと、それはそこに生きる者たちの責任だろ、と言うことはできる。
でもずっと隣にいてくれたポーンちゃんにだけは、本当にごめん、って思う……



・覚者様を失い、しかし自分が覚者様の姿をしていると知った時のポーンちゃんの気持ちを想像するのがつらい……



・……って思ってたら、そこに現れたのはカサディスの宿屋の親父でした!!オイ!なんで!!覚者様オジさんキラーすぎない!??
・ちゃんと界王に挑む前にセレナにありったけのキノコノコをプレゼントしてきたんですけどね!?またそれじゃ遅かったパターンでした??ラスボス前にウルドラゴンと黒呪島に通ってる間よくお世話になってましたもんね……

・でもこの人(パブロス)、普通に良い人で結構好きだったりする。領都に穴が空いたのを王様が覚者のせいにしてきた話とか「領都に穴を開けるなんて人にできることじゃないし、そりゃあ王様の逆恨みだろ?」みたいなこと言って受け流してくれる。優しい……。
・なのでパブロスは(オルダスと違って)普通に全然好きです。この時も浜辺に流れ着いている覚者の姿(ポーン)を見つけて親切に助けてくれたんだと解釈することにします……(それ以上の仲ではないが!)





<その他プレイあれこれ!>

・バトルが楽しすぎた!
大型モンスターと戦うのがめちゃくちゃ楽しかった。キメラ、ハイドラ、各種ドラゴン。
・一番印象深いのは黒呪島のゲイザー。最初挑んだ時はどうやって倒すのかさっぱりわからなくて、こんなん自力じゃ無理だろって思ったんだけど、挑むうちに少しずつわかってきて5,6回目にようやく撃破した。そうか!魔力の玉みたいなのを利用するんだ!と気付いた時の快感半端なかった〜!

・基本バトルは脳筋プレイヤーなんだけど(自覚はある)、それでもポーンちゃんたちがうまくヒントを出してくれたりして、自力で倒した!と思わせてくれるのがすごく良い。ネットで調べると没入感が下がるので、ポーンちゃんたちが接待プレイ(笑)してくれるのがめちゃくちゃ助かる。いつもありがとうね……!



・ポーンちゃんたちが喋るのも大好きだった。
ただ覚者様の面談(語らいの肘掛)によって性格が決められるシステムは恐ろしいなと思った。「指示に従います」という返事。ポーンちゃんたちのセリフというのは、決して彼らの性格が表れてるんじゃなくて、それはただ覚者様の設定するUIに過ぎないんだな、という……
・それでも、ずっと同じ性格を続けさせることで、いつかはそれが馴染んで彼自身のものになってくれたらいいなって願ってたりする。まっさらなポーンでいるより、少なくともなにがしかの気質を持っていることが、いつか人となる君への贈り物になったらいいなって……(泣…



・黒呪島もクリアしました!
このシーン……真っ先に前に出てマスターをかばおうとするポーンちゃんが……(泣



・ダイモーンを倒したあと。
ポーンちゃんが空に手を掲げていた……この仕草がなんかすごく……
アッシュの言葉に、かつて彼が迫られたという選択に、何か思うところがあったんじゃないかなって……つまりそれは彼になにかしらの自我というか意志みたいなのが育ち始めてるんじゃないかなって……(全て妄想です





<ゲーム冒頭の引用>

・ゲームOPで表示される、アンリ・ド・レニエ(フランスの象徴主義の詩人)からの引用。
"Les Rencontres de monsieur de Bréot"という小説の「序文」として書かれ、有名な一節らしい。引用してるのは文章の中の一部で、全文は以下のもの。

"je n’ai jamais, en écrivant, cherché quoi que ce soit d’autre que le plaisir délicieux et toujours nouveau d’une occupation inutile."
「私は"書く"ことにおいて、"無益な行いのもたらすこの上ない常に新鮮な楽しみ"以外のものを求めたことはない」

・「書く」ということについての表明だった。今でもめちゃくちゃ共感性高い言葉だな!本当に、そうあるべきだと思います……
・ドラゴンズドグマというゲームを表すにふさわしいフレーズだなと思う。思いついたことを軽率にやって楽しむゲームだと思うから。……うちの覚者様は保身に走っていたけど!

・これがきっかけで、レニエの「生きている過去」を読んでみたら、妙なおもしろさがあって夢中で読んでしまった。青空文庫にある他の作品もおもしろい。ドラゴンズドグマで知ることがなかったら一生読むことはなかっただろう……





<おわり!>

・正直ポーンちゃんとの旅を終えるのが寂しい……しかしもう新作出てるよ!デラックス版を予約したのにまだ冒険に旅立ててないよ!

・本当はこんな感想書くより一刻も早く新たな冒険に出たいんだけど、ドグマがあまりにもおもしろくて心奪われてしまったので、新作をプレイする前に一応記録を残しておきたかった。

・このポーンちゃんは覚者様との旅を終えて人となった。彼のポーンとしての物語はこれで一区切りさせてあげられたらなあって思うので、2では新たなポーンを連れていこうと思ってる。
元気で、どうか強く生きていってくれたらと願ってる……(なんかもう親目線(?)なんですよね!どうにもポーンちゃんのことが心配で……!)(心配すぎてその後のポーンちゃんの短いおはなしを書いたりしたよ!(完全自分向けなので非公開だけど!) そんなことするなんて思いもしなかったよ……!)

・そして2のキャラクリが沼すぎて終わらない!冒険の前から沼地に足を取られまくってるよ!早く終わらせて新たな冒険に出るぞ〜〜!