METAL GEAR プレイ感想2



メタルギアをPEACE WALKERからTHE PHANTOM PAINまで終えました.




MGS4 GUNS OF THE PATRIOTSまでの感想はこちら
http://sidemola.blogspot.jp/2016/08/metal-gear-solid.html





以下,完全にネタバレなのでご注意ください.







◇◇◇








☆METAL GEAR SOLID PEACE WALKER

<システム>
・HDエディションのPS3版をプレイした.
元がPSPのソフトだからか,イベント時に流れるのがムービーでなく新川さんのイラストによるアメコミっぽい紙芝居.
新川さんのイラストはものすごく好きで説明書の漫画解説も大好きなので,ゲーム中でこれをやってくれてとても嬉しかった.かっこよすぎるんだぜ…

・モンハンのようなミッション受注形式になってやりやすくなった.さらにはオンラインでモンハンのように協力プレイでミッションを遂行できるのでメタルギア仲間がいる人にはめちゃくちゃ楽しいだろう(心底やりたい)
・けどソロプレイヤーに全てをクリアすることはできなかった.G級をソロで制覇するのは至難の業というものだ.なのでカズとデートミッションを出せなかったのが心残りとなっている.

・フルトン回収が今作からできるようになり,これがとんでもなくありがたかった.
MGS2の時から倒した敵はすべからくロッカーに入れていたのだが(目を覚まされるのが怖い)手間はかかるしロッカーが人数分あるとも限らないし,MGS3に至っては野外だからロッカーなんてないし,MGS4も市街戦なので当然ない.
安らぎは死をもってでしか現出できないのだ(本当に余裕のないときは皆殺しにしていた.そうすれば目覚めることはないからな…
・で。そこで現れたのがフルトン回収ですよ!これをすれば倒した敵が目覚める心配も発見される不安もない.ひたすらフルトンしておりました.なんて快適さ.

<キャラクター>
全体的にみんな明るくて自分の好きなことを持っていて無線会話がとても愉しかった.
特に好きだったのは暴走気味のカズとセシールだ.
・我らがカズは,明るくて面白くて時にバカで,まさにカズがMSFの顔だった.
メタルギアシリーズを通じて一番好きなキャラはこの頃のカズだよ……グスッ
・セシールはパリジェンヌ…というか,小林ゆうさんだよね…?よく知らないけども.
セシールとカズの会話が愉快すぎて(というか中の人ふたりが暴走して?)大好きだった.
・パスは,もし正体をもっと早く見抜けていたらスネークになら救えたんじゃないかなあと思うんだよね…,スネークに惹かれていた訳だし,結局のちには拷問された時にすらゼロよりもスネークを助けてと言っている.
だけど,ゼロが生きていたところで,ゼロはスネークのことが好きなわけだから別にスネークの命が危なくなる訳じゃない.ゼロがスネークを連れてこいと言った真意をパスが知っていたら,こんなに思い詰める必要はなかったんじゃないだろうか.

本当に,全てを終えた今からするとこの頃,MSF時代が一番みんな楽しそうにしていて幸せだった……グスッ










☆METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROS

・最初はPS3版を買ってプレイしていたのだが,後にPS4本体を購入したため結局PS4版も買ってプレイした.映像の質が段違いだった.
・最初は本当に怖すぎて,崖の上から移動できないまま1時間が経つという体たらく笑
・特にパスを救出してヘリのところに行くまでが怖すぎて,最終的にトラックにパスを詰んで敵陣を突っ切るという力ずくでクリアした
・初回プレイはクリアに5,6時間掛かったんじゃないかな…とにかく恐怖との闘いだった.

・他のミッションも基本的に恐怖との闘いだったのだが,そんな中デジャヴミッションが最高にフザけていて楽しすぎた.何十回プレイしたかわからない.
・カズの無線が無印MGSのミラーを真似したり,サーチライトを抜けてアイテムを取ったとき「懐かしい!」とスネークが喋ったりしてめっちゃ笑った.おかげで他のミッションで常に感じていた恐怖感が湧き起らず,このミッションだけ異常に極められた.敵を殲滅するのは勿論,最初から発見されるの覚悟でめちゃくちゃに攻撃して制圧したり.
やっぱりカズはフザけてるくらいが一番いいぜ……

<ストーリー>
とにかく辛くて本当に気分が悪くなってしまった.
だが小島監督は多分それでも,戦争ではこういうことが現実に起きるんだと伝えたかったのだと思う.と理解している.
こういうストーリーを描けばどこかから批判されると思うが,現実に起きている問題を描写し,悪を悪として描いたこと自体は決して悪ではないと思う.
そう考えて飲み込んだが,ストーリーは胸が痛むなんてもんじゃなく,胸がズタズタに引き裂かれたような辛さだった.だからこそデジャヴミッションにのめりこんだぜ……









☆METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN

<ストーリー>
・初っ端の病院から抜け出すミッションが怖すぎるんだぜ…あまりに怖すぎてもう無理だと思ったけど,イシュメールの存在が唯一救いでなんとか続けられた.
世界を売った男の真実のミッションをやるまで正体を見抜けなかった笑

・パスが医療棟にいて,とても和んだ.お腹の傷が痛々しくても.
とはいえ,爆弾を埋められた時に臓器を抜かれていたはずなのに生きているのは,臓器提供を受けたということになるが,それってかなり大変なことじゃないかと疑問には思っていた.
結局ファントムだった訳だが,ヴェノムにもプレイヤーにとっても優しい幻だった.
あの時救えていたら本当に良かったのにな……

・死してなおも輝く
勘弁してくれよと思いました……
感染してしまった兵士達が状況を理解して,ボスに自分の身の判断を任せダイヤモンドドッグズの歌を歌いながら敬礼する兵士達.撃てない…だが撃つしかなかった……
しかしこのとき,全員を撃ったと思って出口に向かったのだがドアが開かず,おかしいなと思って戻ったら,ひとり撃ちそびれてなおも敬礼しながら歌ってる兵士が立っていた.
他の仲間が撃たれて倒れる中かなりの時間を放置されて何を感じていただろうと思うと本当に申し訳なかったが撃ちましたよ……
その後,水葬にしようとするのを止めて「お前達はダイヤモンドだ」と骨を抱きしめて言うボスは凄いと思った.
そもそもヴェノムはメディックだからパンデミックに対する知識も持っていただろう.だから逆に撃たなければいけないことを解っていたし,その無念さも強かっただろうと思う.







・ヒューイについては,本当に黒幕だったのかどうかやっぱりわからない.
核査察の件はもしヒューイの言っていることが正しかったとしても,罪悪感も持たず「僕は悪くない!」と言い張るのは,wikiにも書いてあるように解離性精神障害とかなんじゃないかと思う.PWの頃のヒューイだったら「僕のせいだ…」と感じている気がする.もしかしたら9年の間にその罪悪感のせいで最終的に精神障害になってしまったのかもしれないと思う.


本当にヒューイは裏切り者だったのか?
↑こちらの考察サイト様を見てハッとした.
確かに,過去のヒューイが喋るテープは出なかった.
他の人については決定的なテープがみんな出ているというのに.

ちょっとヒューイを擁護する形でまとめてみると

・核査察
ヒューイは本当に騙された可能性もある

・ストレンジラヴ殺害
ふたりの間に溝があったことは確かだが,だからといって意図を持って殺したのかは不明だ.
テープの中でストレンジラヴが「開けなさい!」と言っているが,ポッドの外がどういう状況だったのかはわからない.

・声帯虫の突然変異を誘発
声帯虫の突然変異を誘発するために検査用のX線装置にβ線を放射させていた.その機材を用意したのがヒューイ.
→突然変異を誘発させたからといって,変異の方向性がどうなるかはわからない.まして殺傷能力が上がると予測することはできない.
カズとオセロットは突然変異株を生み出して治療法を手土産にサイファーのところへ行こうと目論んだ,とヒューイを弾劾していたが,工学者のヒューイに治療法を研究できるのか?できるとしても,軟禁されているヒューイがその突然変異株や道具を持つことは許されないだろう.
つまり,ヒューイはβ線放射を仕込んだとしても,その後何かをできる訳じゃない.
だとしたらやったのは誰だという話になるが……

・サヘラントロプスの修理法を子供達に教える
→考察サイトで言われてる通り,ヒューイ,サイファーどちらにとっても益がない.
本当にただ,子供達に聞かれて何も考えず教えてあげただけなのかもしれない.

・なにより哀しいのは,ヒューイが精神障害になって短絡的な行動や発言をしてしまうこと,過去のことを説明できないことかもしれない.
もし無実であったとしても,このせいで自分を正確に弁護することができず,またDDのメンバーに不信感を抱かせてしまうのだから.
オセロットが言った「自分で自分が何をしたかも解っていない,何をしたのか把握しきれていない」という言葉は,すなわち精神障害を抱えてるということじゃなかろうか.
ストレンジラヴとうまくいかなかったのも,9年前の事件後から少しずつ精神障害を持ち始めてきたのが原因なんじゃないかと思う.「狂った父親」とストレンジラヴが言っていたし.
ヒューイの自分勝手な発言を性格が歪んだと捉えるのでなく,もし障害があるとして理解されていたら何かが違ったんじゃないかなあと思う.

・しかし島流しにあったあと,結局アメリカに戻ってオタコンと再会しエマの母と再婚するんだから,たくましいよなと思う.
でも最終的には,再婚相手とオタコンがアカン関係になって絶望し自殺してるんだよな……,きっと精神障害は治らず,周りにも理解されず終わったんだろうなと思うと胸が痛む.






DDが超可愛い。

バディは基本的にいつもDDでした.可愛い上に有能すぎる……
100m以内の自動マーキングが便利すぎる上に,電撃装備で敵兵を気絶させてくれるのが有能すぎる.装甲兵ですら気絶させてくれる.
着実に進みたいときは,吠えろ→敵兵を1人だけおびき出す→やれ の流れで1人ずつ片付けていくとリスクなしに基地を制圧できて本当に有能だった.
この流れを終える度に「えらいぞ」ヨシヨシ してました.可愛すぎる…






激カワすぎないですか……///






ヒューイは「狼じゃないか!」と言っていたけれど,犬じゃないか?
スネークがいないと寂しがる甘えん坊で,人の命令を聞いて褒められることを喜ぶって,犬の特性だよ…な?
小さい頃から育てたら狼でもそんな風になれるもんなのか?






・カズが…復讐にとりつかれてしまった……グスッ
唯一コードトーカーとのハンバーガー制作話がかつてのカズのようで,心を開いている相手にはかつてのような姿を見せるのだなと思って安心した.
でももっとフザけた無線がほしかった.寂しい.
コードトーカーの「カズヒラに気を許すな」はどういうことだったんだろうな…
ダイヤモンドドッグズ内の猜疑心を煽っているのが危ないことはプレイヤー誰もが気付いているし,あんな風にこっそり言うことではないと思う.
全体を通じて,カズは復讐をしたくてその相手が欲しくて仕方ないように見える.
もしヒューイが無実だとしたら,次に怪しいのはカズなんだよね……考えたくないことではあるが.


・イーライ
自分の出自を恨んで復讐してやりたい,と言っているのは無印MGSと変わらないのだが,どうにも違和感があるなと思っていた.
MGSの時のリキッドは戦いを愉しんでいるように見えたからだ.
だがこの時のリキッドは暗く,復讐するしか道はないというような思い詰めた感じがあるように思えた.
まあどこかで気持ちが変わるのだろう.それが描かれることはもうないだろうけれど.


・MGSのメンバーが揃ってきた.
リキッド,オセロット,サイコマンティス.
そして作中ではすでに殺されていたが,ミラーとリキッドは面識があったことになる.
今からすると,オセロットがリキッドに敬語を使っていたことに違和感がありまくるが.
オセロットはどう言いくるめてリキッド側についたんだろう.
それにカズはソリッドを教官として鍛えていくんだよなあ…一体どんな気持ちだったんだろうと考えると胸が熱くなる.





"監督に、「これは敵を倒したあとに、仲間を失っていく話なんだ」と言われたんです。敵を倒すというゲーム的な高揚感よりも、その後に仲間を失う喪失感を書いてほしい、と。スカルフェイスが死んでも報復心が残っていて、それが味方を失わせていく。"


「スカルフェイスが死んでも報復心が残っていて,それ(幻肢痛)が味方を失わせていく」
……これ,味方を失わせたのは(声帯虫の突然変異事件は)幻肢痛の消えなかったカズだ,ということになるんだろうか……?





◇◇◇






こうして深く幻肢痛が残されたままメタルギアを終えた.

本当にメタルギアは,僕にたくさんのものをくれました……
苦痛,悲しみ,恐怖.そして知識,楽しさ,勇気.
こんなにもプレイヤーに与え続けてくれるゲームを僕は他に知らない.

本当に小島監督おつかれさまでした.
次のDEATH STARANDINGもめっちゃ楽しみにしてます.